外厩や育成場…実はよく知らん
放牧という言葉を「北海道で好き勝手に走りまわっているイメージ」ではなくなったのはいつくらいでしょうか。少なくとも、私が競馬を始めた2010年ごろは外厩という言葉は一般的ではなかったように思えます。
ところが、昨今では普通に新聞に外厩○○で放牧と書かれることも当たり前になりました。今や、外厩がない世界線は考えられません。もちろんそれを主導しているのはノーザンファーム。外厩でも日本競馬界をリードしています。飽くなき企業努力。頭が下がります。ヨーロッパに本格進出して外厩を作れば、凱旋門賞の制覇も近いかもしれませんね。コストメリットはないかもしれませんが。
で、そんなノーザンファームと比べて、意外と知られていない、というか私が勉強不足で知らなかったのが、ノーザンファーム以外の育成馬の短期放牧先です。例えば、ロードでは西浦先生、庄野先生の預託馬に出資しているのですが、関西での短期放牧先が違うのです。薄ぼんやりとは知っていましたが、ちゃんと意識したことはありませんでした。
※長期の場合は千葉のケイアイファーム育成場に戻します。
ちなみに、西浦先生管理のロードグラディオはグリーンウッド、庄野先生管理のフレーヴォは信楽牧場でした。
滋賀県・信楽牧場について調べてみる
知らないことも、サラッと調べられるのが現代のすばらしいところ。というわけで、まず出資馬フレーヴォの放牧先である滋賀県・信楽牧場について調べてみました。
で、まず驚いたのは、実はこの信楽牧場は栗東の中堅調教師筆頭である中内田先生のご実家なんですね!牧場長は中内田先生のお父上が務められています。へぇーーー知らなかった。
そのあたりのお話は競走馬の生産・育成牧場への就業を応援する『BOKUJOB』というサイトに詳しく掲載されていました。こんなサイトの存在をこれもまた知らなかった。
二十歳の頃の自分がこのサイトを見たらどういう人生を歩んでいたのだろうか、そんなことを思ったり…
閑話休題 深堀り
信楽牧場の歴史を更に掘ってみると、関西で初めて誕生した育成牧場ということで大変歴史ある牧場のようです。その歴史はすでに40年を超え、もうすぐ半世紀に迫ろうとしています。育成の設備も整っており、なにより栗東から一時間以内にあり、大変アクセスしやすいことがメリットのようですね。
一方、「ノーザンファームの施設ではないため格下」と断じている論調も多いように見受けられました。まあ、ノーザンファームの施設と比べられたら叶う施設は日本にありませんから、正直その通りなのかもしれません。。。
もっとも、信楽牧場は歴史も深いだけにノーザンファームとの関係性も良好なようなので、一概にライバルとも言えないようですけどね。
例えば、信楽牧場は日本一と名高い「ノーザンファームしがらき」と隣接するヒルサイドステーブルという施設を運営していたりします。これは看板は違うけど中身は一緒ということ。これは関係性が良好だからこそ、実現していることなのでは。
実際、ロードの馬も上記ヒルサイドステーブルで短期放牧をされているケースもあるようで。
規模が小さいクラブなりに工夫をしているのだなあ。
自前で育成拠点を東西でもっていない中小クラブに入会していると、こういった競馬サークルの実態を調べるキッカケになって面白い。
そんなことを思う今日この頃です。