【一口馬主ブログ】一口馬主の雑記帳

零細一口馬主のブログです。ロードサラブレッドオーナーズで2018年に一口馬主デビュー。2019年にユニオンにも入会しました。

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賭博哲学とはこれいかに? GW連休の読書におススメ競馬本紹介

降って湧いた10連休。そんな時は、読書。

今日から10連休ですね。

有給や夏季休暇以外でこんなに休みを頂くのは社会人になってから初めてです。平成の置き土産、令和のご祝儀。

私はさっそく心身ともに開放してだらけています。妻の実家で。

自営業の方やサービス業の方には申し訳無い限りです。

 

とはいえ、妻の実家では自宅のように全てをフリーダムとはいきません。例えば、いつものように昼からリビングでゴロゴロというのも気が引けます。義父は今日も仕事です。

なので、主に真面目なふりをして読書に時間を費やしています。まあ、読むのはパーフェクト種牡馬辞典であったり、月刊サラブレであったり、積読(積んで置いとく)していた競馬本だったりするわけですが。もはや真面目でないことはばれている気も。

 

そんな中で今日読んで面白かった一冊をご紹介致します。ゴールデンウイークで時間を持て余している貴兄に(?)へ。ゴールデンウイークの読書におススメ競馬本紹介です。

哲学者、競馬場へ行く~賭博哲学への挑戦~ 著:檜垣立哉

概要

著者の檜垣立哉さんはあの大阪大学で教鞭をとられている大学教授です。それだけでも凄いのですが、なんと専攻は『フランス哲学・日本哲学・生命論』。

哲学…生命……

我いずこより来たり、いずこに生き、いずこに逝くや…

※私の浅い知識がばれるので、この話はこの辺で。

檜垣先生の経歴を見ると、中々一般人には縁遠い領域を専門にされている知識人との印象を受け、少なくとも私のような凡人が檜垣先生の上梓された本を手に取ることはない様に思えるのですが、本書のテーマはなんと競馬です。

オグリキャップが競馬の出会いであったという檜垣先生が、哲学のエッセンスを交えて書いた思い出のGⅠレースと入魂のコラムで本書は構成されています。

おススメポイント

本書のメインである各GⅠの考察、オグリキャップからロードカナロアまで、はもちろん面白いのですが、個人的におススメなのは本書の副題についている「賭博哲学」の一旦を垣間見ることが出来るコラムです。

例えば、コラムの1つである「競馬と記憶の関連について」。

競馬ファンであれば、ありありと思い出すことが出来るレースが1つはあると思います。あの記憶とは一体どこにあるのか。それはもちろん、脳の中でしょうが、檜垣先生の哲学者らしいアプローチでその解明に挑みます。そして、それがわかりやすい(これ重要)。 

わかりやすい例で言うと、一回のレース(有馬記念であり、新馬戦でも未勝利戦でもある)で刻みついた記憶を、季節が巡って再び同じ冠のレースが来る度に「そういえばあの時、自分は◯◯をしていた」と思い出すのは何故なのか。

また、データ派の馬券予想も然り。ラストの上がりを比べた時、「まるで、あの馬の末脚のようだ」とフッと思い出が降りてくるのは何故なのか。

またまた、有馬記念というレース名を聞いても、人によってはオグリキャップであり、ディープインパクトであり、ゴールドシップのレースですよね。 あれはなぜなのか?

 

そんな競馬ファンの身近な「なぜ?」を考察しています。

私が素晴らしいと思うのは、本書は問いを投げかけても答えを出していないこと。おそらくですが、簡単に答えが出るような問いではないのはもちろんのこと、著者の檜垣先生はご自身なりの答えを持ちながらも、それをあえて書いておられないように私には読めました。

問いかけへの答えは自分で考える。まさに哲学そのもの?ですね(笑

気になったフレーズ

せっかくなのでいくつかだけ気になったフレーズを紹介します。

 

『こうした記憶とはなにかと考えてしまう。その記憶はどこにあるのだろうか。それが自分のあたまのなかにあるとは到底おもえない。それはむしろターフのうえにある。競馬場と、それをとりまく環境と自然のなかにある。

(中略)。

そして、それによって二〇年以上前、ここに自分がいたということを間違いなく理解してしまう。私が競馬をみているのではなく、競馬こそが、私がかつてここにいて、いまもいることをはっきり示してくれるのである。』(章:賭博哲学1、ページ97より引用)

おススメポイントでも書いた競馬の記憶に関しての一節です。競馬を見ているつもりでいて、自分が競馬に見られている。深い…酔った時に少しだけ考えると眠気が冷めそうです(笑)

 

『いうまでもないことですが、私にとって、哲学書を読むことも競馬を見ることも私が生きていることも、ほぼ等価のことです。何が優先的でもありません。』(章:あとがき、ページ262より引用)

檜垣先生の競馬に対する愛を感じる一節です。本書全体を読み、私はこの一節が檜垣先生の言いたいことだったのだと、想像しました。いつかこんな風に競馬を人生に組み込んでいけたら素敵だと思いますね。

ゴールデンウイークの夜長?に

以上、『哲学者、競馬場へ行く~賭博哲学への挑戦~』 のご紹介でした。

この連休中に、もう一冊、二冊、競馬本を読みたいと思っています。また良い本に巡り合うのが楽しみです。