今日はユニオンオーナーズ2021年募集馬、その⑧です。
ユニオンの良いところは言わずもがな、日高系牧場が集まった集合型一口クラブであるところです。多種多様な種牡馬の子どもが提供されるため、思わず唸る内国産種牡馬の産駒が提供されていたりします。
今年はこの募集馬に注目でしょう。京阪杯連覇のスプリンター、ネロの産駒、ボムシェルの2020です。
ボムシェルの2020
父:ネロ
母:ボムシェル
母父:キャプテンスティーヴ
厩舎:畠山吉宏
生産者:エムエム、ヤマダF
一口価格:45,000円
○気になるポイント
いつもなら母のほうからレビューを進めていくのですが、今回のレビューはネロ応援枠なので、種牡馬ネロの話から(笑)
ネロは現役時代に47戦8勝。自身の父ヨハネスブルグの初年度産駒、かつ名牝ニシノフラワーの一族の馬としてデビュー時から注目を集めていたネロ。その注目と期待にたがわずに2歳の8月に新馬勝ちを飾り、少し出世には時間を要しましたが、5歳には重賞戦線の常連となり、7歳まで芝・ダートの両方で走り通しました。短距離路線組は枯れるのも早いのですが、最後まで重賞にエントリーし続けたタフさは素晴らしいものがあります。もちろん、戦績の中で光るのは京阪杯(GⅢ)の連覇ですね。
また、わかりやすい名前ということで、ファンも多い馬でもあり、私もファンでした。
引退後、ネロは貴重なヨハネスブルグの後継種牡馬として2019年から種牡馬入りし、来年2022年に産駒がデビューします。ちなみに、種付け頭数は2019年に54頭、2020年に31頭。
つまり、その貴重な産駒のうちの一頭が本馬『ボムシェルの2020』なのです。
母ボムシェルの戦績を見ると、芝1,000メートルとダート1,000メートルの両方で1勝ずつ上げています。まるでネロのような芝・ダート兼用馬ですね。日本ではほとんど見ないCaptain Steveの産駒ということで非常に面白い血統馬なのですが、引退してからはここまで10頭産んでおり、その父もラインナップも非常に個性的。
例えば、ネロの前の直近5年を見てみると
2015年:モンテロッソ
2016年:トーセンラー
2017年:タイムパラドックス
2018年:カレンブラックヒル
2019年:ジョーカプチーノ
です。タイムパラドックスやジョーカプチーノを種付けするのも攻めていると思いますが、今年も攻めてきている感じですね。
もちろん、改めて本馬の血統を見ると、インブリードクロスのラインそれぞれがキチンと父系と母系から混ざってきており、非常に綺麗な血統バランスでもあります。母の父に入って力を発揮するDamascusのクロスなんて渋いですね。
短い距離で早めにデビューさせていく方針にはなると思うのですが、芝でもダートでも通用しそうにも思えますし、一口45,000円という値頃感もお見事。
出資抜きでも来年応援したい一頭です。