ユニオンオーナーズ2021年募集馬のレビュー(その⑥)
今日はユニオンオーナーズ2021年募集馬、その⑥です。
今年産駒がデビューするキタサンブラック産駒は、今年のユニオン1歳馬でも2頭募集されています。そのうちの一頭が先日書いたエアラホーヤの2020で、もう一頭が今日レビューするアンシェルブルーの2020です。
アンシェルブルーの2020
父:キタサンブラック
母:アンシェルブルー
母父:マンハッタンカフェ
厩舎:辻哲英
生産者:矢野牧場
一口価格:70,000円
○気になるポイント
母アンシェルブルーは現役時代に4勝。阪神牝馬ステークスやセントラルS、函館スプリントSでも入着したスピード牝馬でした。長距離馬かつ牡馬に活躍馬が多いマンハッタンカフェの産駒では珍しい一頭ですね。血統的にサンデーサイレンス系×Stormcat系というスピードゴリゴリの血統だったのが強く出たのかもしれません。母系はアメリカらしい血統ですし。
ちなみに、繁殖に上がってからは本馬も含めて6頭産んでいますが、まだ代表産駒のような馬はいませんね。毎年、金脈を探るかのように違う種牡馬と配合されていまして、今回の父はキタサンブラックです。
これが、非常に良い気がするのです。
『エアラホーヤの2020』のレビューの時も書きましたが、スタミナと底力の馬であるキタサンブラックに配合するのであれば、スピードさらに追加するような軽い血を入れるべきだと思っています。母アンシェルブルーはその点ばっちりです。
サンデーサイレンスの3*3という濃い目のクロスはあまり成功例が多くないのは気になりますが、キタサンブラック自身が持つLyphardのクロスを引いているのも牝馬としてはプラスですね。
また、本馬はキタサンブラック産駒の適性距離を判断する意味でも非常に面白そう。キタサンブラック自身が血統面での説明が難しい馬では合ったのですが、本馬のプロフィールを見ると、明らかに短めの一頭になると思うのですよね。マイルでもちょっと長いくらいの馬になっても驚きません。
…でも、そこで予想を裏切ってくるのもキタサンブラック、という考えも頭を過ぎる(笑)
この1年、「なんでこの血統でこんな活躍を?」と我々を驚かせてくれるキタサンブラック産駒が出てきた時、本馬に出資していたらと思うと良い意味でドキドキします。
一口価格としてやや高い気もしますが、名門矢野牧場の生産馬だけに適性価格でしょうか。未知の魅力込みで面白そうです。