【一口馬主ブログ】一口馬主の雑記帳

零細一口馬主のブログです。ロードサラブレッドオーナーズで2018年に一口馬主デビュー。2019年にユニオンにも入会しました。

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『ノン・サラブレッド』読了~読み応えがある競馬史ミステリー~

長期休みはやっぱり読書

ステイホームのゴールデンウイークも2年目となり、自宅で過ごす日々も5日目となりました。ノーザンホースパークラソンが5月3日に始まったということもあり、マスク姿で早朝に走る以外は家でゴロゴロしています。

「買い物も家族連れはやめたほうがいいから…」というのはナマケモノの旦那である私には都合の良い言い訳です。

競馬開催日であればテレビの前にかじりつくのですが、そういうわけにもいかない。というわけで、気になっていて購入した競馬本を読了しました。

競馬ライターとして知られている島田明宏さんの『ノン・サラブレッド』です。

せっかくなので感想をば。

 

『ノン・サラブレッド』 著:島田明宏

概要

私の愛読誌であるNumberで頻繁に記事を目にする競馬ライター・島田明宏さんの著書です。

あくまで個人的な印象ですが、島田明宏さんは競馬ライターの中ではデータや数字などは抑えつつも、競馬というスポーツにあるドラマ性にフォーカスをする記事が多いように思っていまして、いつも「上手いなあ、読ませるなあ」と思っていました。

リズムよいテンポの文章、ファンなんです。

その島田明宏さんがどうやら一昨年くらいから競馬ミステリーを上梓されているようで、その最新作が本作です。

内容としては、明治時代に実在した競走馬ミラをめぐる競馬史ミステリー。フィクションのミステリーですが、時代背景や日本近代競馬の競馬史は事実ベースとなっています。

感想:偶像劇と文章に魅せられる

ミステリーである分、内容については書きづらいのですが、本書の構成としては197×年と202×年の二つ時代を2人の主人公の視点を描きながら、それが1つ答えに集約していく、ある種の偶像劇の構成になっています。

 

全般を通して、島田明宏さんらしい読ませる文章が心地よいです。主人公の会話にウソっぽさがないし、また、何より、物語の中に出てくるレースシーンや牧場巡りの表現はその情景が浮かんできそうなほどリアルです。本当に島田明宏さんは競馬というドラマを文章で表現する名手だと思います。

 

また、ややもすると退屈な薀蓄になりがちな競走馬ミラがサラ系とされた理由や日本近代競馬の競馬史の描写にも飽きが来ません。これは島田明宏さんの取材力の賜物だろうなあ。

 

一方で、ミステリーとして手に取ってしまうと、ちょっと物足りないなさを感じるかも。

謎の提示は物語の冒頭であり、本書全体の幹ではあるはずなのですが、答えは「そうきたか」というよりかは「そうだよね」という感じ。ただ、本格ミステリというつもりで読んでいなかった私としてはある種安心はしました。(それでいいのかは別にして。)

 

とはいえ、おススメの一冊であることには変わりなく。

まだゴールデンウイークが続く方はぜひ手に取ってみてください。