味があるローエングリン産駒
ジャスタウェイ、ダイワメジャー、と出資検討をしている馬のお父さんをレビューしてきたので、引き続き出資を検討しているユニオンのオンリーザブレイブ(オメガブルーラインの2017の父ローエングリンについて考察してみようと思います。
ローエングリンの種牡馬キャリア
ローエングリンが種牡馬になったのは2008年。10年弱の間、種牡馬としてのキャリアを重ねてきたことになります。毎年の種付け数は50頭前後くらい。初年度には牝馬を集めることが出来ても、3年ほどで種付け頭数1桁になってしまうことも決して珍しくないのが種牡馬の世界ですから、この数字は立派です。生産者から一定の評価を受けていないと出来ないことです。
また、JRAのサイヤーランキングは、2015年から2018年まで、67位、51位、38位、32位、と推移して来ています。全世代で一定の成績を残しているということの裏返し。極端な当たり世代、外れ世代があるとこうはいきません。
そして、自身が勝てなかったGⅠを2つ勝った孝行息子ロゴタイプが種牡馬入りをするのを待っていたかのように、昨年の秋に種牡馬を引退しています。産駒は2018年春に種付けした世代がラストクロップということになります。種付け頭数は40頭。最後まで需要があったのは素晴らしいですね。
ローエングリンの産駒データ
そんなローエングリンの産駒データを眺めてみると、芝であれば2,000メートル以下までが守備範囲。重馬場や力がいる競馬場(阪神など)でググっと勝率と連帯率が上がってきます。府中のマイル戦で良績が多いのはロゴタイプだけじゃなく、産駒全体の傾向のようです。
一方で、ダートになると良馬場でも重馬場でもイマイチ。サドラーズウェルズ系なのになんででしょう?普通に考えると、まずダートもこなしてもまったくおかしくないですが…
なぜ産駒がダートを走らないのか想像してみる
私が想像するに、ローエングリンの迎えた花嫁の多くがサンデー系の牝馬だったから。例えば、ここにA.P.IndyとかRobertoの牝馬をつけると、圧倒的なダート馬が生まれてくるのは容易に想像できます。しかし、スピードが全盛の日本競馬においてさすがにそれは敬遠されたのではないでしょうか。
ましてや、自身の代表産駒ロゴタイプ(母父サンデーサイレンス)が種牡馬デビュー2年目で生まれていますからその成功をなぞろうとした結果、ますますその敬遠具合に拍車がかかった、とか。
個人的には当たらざるとも遠からじ、な理由かと思います。(どうでしょうかね)
クラス別の勝ち上がり率も決して悪く悪くないわけですから、あともう20頭ずつ毎年牝馬が集まっていれば、ダートの大物も出てきていたのかなあ、と想像します。
ローエングリン産駒への出資メモ
そんな出資チャンスが今年までとなったローエングリン産駒について、出資メモです。
芝向きの種牡馬ということで、出資する場合は芝向きか否かをしっかりと見極める必要があります。馬体でそれがわかれば一番なのですが、相馬眼がない私にとって牧場関係のコメント、厩舎の得意条件、募集馬の管囲、などがそれにあたります。
例えば、「ダートで走る」というコメントはローエングリン産駒の場合はあまり信頼ができません。
厩舎でもダート変わりを積極的に使ってくる厩舎(例えば、矢作先生や尾関先生など)は向かない。
また、管囲が太すぎる(21センチ超)など、ダート馬であれば有望な特徴があるのもマイナスと言わざるを得ない。
来年以降、募集馬に出てくるであろうロゴタイプ産駒も上記のような父の特徴が産駒に伝わってくると睨み、出資馬検討をしたいところです。
追伸:
上記した出資メモに照らすと、オンリーザブレイブ(オメガブルーラインの2017)は「厩舎」で気になるデータが。預託先の土田稔先生は去年の勝ち鞍を全て障害とダート競争であげておられます。芝よりはダートに強みを持っている模様。
残り少ないローエングリン産駒への出資には惹かれるものがありますが、うーん、個人的には見送りの公算高くなりました。