表紙のインパクトが半端ないと評判の…
今、競馬ファン界隈で「表紙のインパクトが半端ないよね」と評判になっている競馬本があります。著名な競馬ライター平松さとしさんの著書、泣ける競馬です。
その表紙がこれ↓
破壊力が半端ない。競馬好きならずとも知っている「みどりのマキバオー」で有名なつの丸先生のイラスト。帯を取った下にも同じサイズのイラスト。そして、カバーを取った本紙にもちょっと小さ目なイラスト。おおう、このインパクトの凄さよ…
思わず買いましたね。中身を把握せず、本をジャケ買いです。タイトル買いはしたことありましたが、本のジャケ買いは初めてです。
そんな本書の読了後の感想を徒然と綴りたいと思います。
『泣ける競馬~』 著:平松さとし
概要
武豊騎手の推薦コメントにある通り、本書は競馬関係者、つまり馬にかかわる騎手とホースマン達の物語です。一話8ページ前後の短編が32話掲載されています。その1つ1つの話の主役も様々。誤解を恐れずに言えば、普段は「スポットライトが当たらない人」にあえて注目し、掘り下げることで物語が構築されています。例えば、ルメール騎手と奥様の絆の話であったり、オジュウチョウサンの担当厩務員のエピソードであったり。話の密度が濃いです。日本を代表する競馬ライターの平松さんだからこそ、ここまで深く掘り下げて書けたのでしょう。感服です。
本書の推薦ポイント
『良い物語に脚色はいらない。事実だけで訴える力があるのだから』
本書を読んでいて大学生時代に何かの講義で聞いたそんな言葉を思い出しました。何の授業だったかは覚えていないのに良いセリフというのは覚えているものです(笑)
本書もタイトルこそ「泣ける競馬」ではありますが、著者の平松さとしさんはホースマン達のエピソードを脚色もしなければ、創作もしていません。事実を書き、そこに立ち会った人達の想いを書き、心地よい余韻で締める。それだけで泣かせられてしまいます。
(もっとも、涙もろいというか、涙腺は緩めな私ではありますが。)
特によかったエピソード
本書の場合、センテンスでの抜き出しは難しく、紹介しすぎてしまうとこれから読む方がいらっしゃるとネタバレになってしまうので特によかったエピソードの概略を1つだけ。
エピソードの21番はアドマイヤラクティとそのホースマン達の物語です。
アドマイヤラクティは日本の長距離戦線で活躍し、海外競馬の中でもどちらかといえばマイナーな部類に入る南半球のオーストラリアへ果敢に遠征。前哨戦を勝った後、一番人気に支持されたメルボルンカップでその命を散らしてしまった悲運の馬です。メルボルンカップは開催日がオーストラリアの祝日とされるほどの国民的イベント。そんな国民的イベントにおいて起きてしまった悲劇にホースマン達は何を思うのか。
私がこのエピソードを読み終わった時に強く心に思ったのはオーストラリア当地のホースマン達に対する敬意でした。かの地の競馬文化は素晴らしい。ぜひいつかメルボルンカップに行ってみたいです。
泣きそうになった時にはつの丸先生のイラスト
以上、読んだ感想でした。ネタバレになるので詳しく書けずにすいません。
ただ、本書は非常におススメです。タイトルに偽りなし。私も何回も涙が湧き出てきました。
つの丸先生のイラスト見たら大潮のように引いていったけど。