キャロット2021年募集馬レビューその⑲
キャロットの2021年募集馬のレビュー、今日はその⑲『リリウムの20』です。
今期、新種牡馬の中で最も注目していたのはイスラボニータだったのですが、まだあまり産駒の活躍が振るいません。主に芝のマイル前後でデビューしていますが、人気なりに走るという感じで、想像していたようなハイアベレージは残していない。
まだ使っていないダートを使ってどうか、また、使いながらどうかということもあるとは思うのですが、2年目産駒が人気落ちをするならチャンスと思っています。
○概要
募集馬名:『リリウムの20』
父:イスラボニータ
母:リリウム
母父:クロフネ
一口価格:50,000円
預託厩舎:平田 修
○コメント・所感
母リリウムは非常に仔出しが良い馬で、2008年に初年度産駒を産んだ後、1年間だけ空胎がありますが、それ以外には12頭の産駒を産んでいます。また、初仔から第4仔までは牝馬だったのですが、その4頭の牝馬も皆、枝葉を広げています。
健康体の一族であるのは言わずもがなですが、生産の世界もシビアな世界ですので、産駒の成績が最低限残せないと子孫を残すことも簡単には出来ない。ありそうであまりいない、優秀な一族です。
母リリウムは母父クロフネのDeputy Minister系ということで、サンデー系ともミスプロ系など、日本の主要血統派はなんでもござれ。今回の相手であるイスラボニータはサンデー系とはいえ、母系はアメリカ血統が強い血統。
よって、本馬はアウトブリードの血統馬となりましたが、いかにもパワー系のダート馬の血統表となった気がします。マイル前後を先行して力づくで抑え込むような勝負が得意な馬になると思います。
ただ、気になる情報が。本馬は1歳のこの段階で馬体重が580キロを超える大型馬となっているようです。
すごい!でかい!(笑)
現役サラブレッドの馬体重は平均して470キロ~480キロと聞いたことがあります。500キロを超えれば大型馬と言える世界の中で、異質の馬体です。
ダート路線での活躍を期待するのであれば、馬体重は重いに越したことはありませんが…ここまで大きいと気になるのは怪我と仕上りが遅くなるリスクですね。怪我を恐れて攻めた調教が出来ない、それゆえに大きな馬体を絞り切れない、よって勝ち切れないというケースも増えて、悪循環のスパイラルに入ってしまいます。
そういったリスクを考えて、平田先生に預託するキャロットはさすが。引退した看板馬のゴールドドリームは生涯500キロを割ったことがない大型馬でしたからね。外厩と平田先生のスタッフのナレッジ・ノウハウをフルに活かしていこうということでしょうか。
…それでもゴールドドリームより既に50キロ以上重いのか。
好みがわかれる一頭になりそうです。