- 種牡馬の種付け料を考えてみる
- 『種付けされる年』と『産駒が走る年』にはズレがある
- 2019年種付け料を見て、馬券を買ったり、出資馬を選んでいいのか?
- 2017年の種付け料を考慮…だけでいいのか?
- 2018年サイアーランキング10傑+2017年種付け料
- 結論:今年のお買い得産駒はハービンジャー
種牡馬の種付け料を考えてみる
ゴールデンウイークもあと今晩とあと1日。元々が10日間あったことを考えると流石に寂しい気持ちになってきますね…とはいえ、個人的には久々にゆっくりと過ごすことが出来た有意義な休日でした。数冊は溜まっていた本も読めましたし、一口馬主の2年生として色々調べたいと思って出来ていなかったことも調べることが出来ました。
そんな調べもの中の一つ、種牡馬の種付け料に関して今日は書いてみたいと思います。
『種付けされる年』と『産駒が走る年』にはズレがある
まずは最初に種付けの受け止め方から書いてみたいと思います。
ディープインパクトの今年(2019年)の種付け料は4,000万円です。
これを聞いた時、同じ競馬愛好者であっても実は受け止め方が違うのだろうと最近私は気が付きました。
例えば、馬券を買うライトな競馬ファンの場合、
「高いなあ、流石ディープ。こりゃ今年(2019年)もクラシックはディープだな」
というのが一般的な受け止め方。実際、私もそうでした。
これが、一口馬主の愛好者になると、ちょっと違います。例えば、
「再来年(2021年)はディープ産駒への出資は要チェックだな」
と考えます。
というのも、種牡馬が牝馬に種付けをした場合、生まれた産駒が走るまでにタイムラグがあるからです。このタイムラグが同じように競馬を楽しんでいるはずなのに、受け止め方の差を生むのです。
2019年種付け料を見て、馬券を買ったり、出資馬を選んでいいのか?
結論から書くと、得策ではないのでは。
というのも、2019年に種付けをした産駒が実際にデビューするのは2022年です。今年種牡馬としてデビューしているキズナやエピファネイアも実際に最初に種牡馬として併用開始されたのは2016年からで、一口馬主のクラブで募集されている産駒も17年産まれの産駒達ということになります。
ですから、私自身もそうでしたが、「ディープインパクトの今年(2019年)の種付け料は4,000万円です」という字面だけ見て、「今年(2019年)のクラシックもディープだ」というのは実は間違っています。もちろん、種付け料を決める時期(大体秋~冬頃)に2歳戦線で注目馬がいたりすることが種牡馬の種付け価格に反映されることが多いので、絶対に間違っているわけではないです。ただ、正確とは言い難いのは確かだと思います。
そして、一口馬主の話で言いますと、今年(2019年)の種付けされた産駒は来年(2020年)生まれ、競馬場でデビューする2022年の前年、つまり再来年(2021年)に一口馬主クラブでは募集されることとなります。
ですから、2019年の種付け料で種牡馬を評価して今年募集される産駒への出資を決めるのは「2年後に評価が上がるのだから今のうちに買おう」という先物買いとしては正しいですが、本来の適正価格よりも高い買い物をしているという可能性があるわけです。
前置きが長くなってしまいましたが、例えば今年(2019年)の夏頃から募集される○○の2018産駒達を考える場合、2017年の種付け料がヒントになるのではないかと考えました。
2017年の種付け料を考慮…だけでいいのか?
ただ、ここまで考えた時にゴールデンウイークで時間を持て余していた私の頭に、一つよぎるものがありました。それは
「勢いやトレンドを考慮できてないんじゃない?」
ということ。
一口馬主クラブで募集される馬の場合、『種牡馬価格+母馬(牝馬)価格』が募集価格に転嫁されます。ですから、種牡馬の価格を下回った価格が募集総額になることは一般的にはありえないはずです。なぜなら、ビジネスにならないから。
※0円出資など広く募っているケースは除きますね。
ですから、種牡馬価格だけで「この馬!」としても言ってしまうのは、どうなのか。
それは「適正価格」ではあるでしょうが、「お買い得」と言っていいのか…?
しばし悩みました。
その結果、「2018年のサイアーランキングで合わせてみればいいんじゃない?」との思いに至りました。サイアーランキングは産駒活躍に直結したランキング。しかも、去年の一年間のデータはまさにトレンドといっても差し支えないはず。
よし、そうしよう。
2018年サイアーランキング10傑+2017年種付け料
というわけで、あまりにも多くの種牡馬だとまとめきれないので、10傑で絞って作ってみました。
1位:ディープインパクト / 2017年種付け料:3,000万円
2位:キングカメハメハ / 2017年種付け料:1,000万円
3位:ハーツクライ / 2017年種付け料:800万円
4位:ステイゴールド / 2017年種付け料:なし(死亡)
5位:ハービンジャー / 2017年種付け料:250万円
6位:ダイワメジャー / 2017年種付け料:500万円
7位:ロードカナロア / 2017年種付け料:500万円
8位:ルーラーシップ / 2017年種付け料:400万円
9位:クロフネ / 2017年種付け料:200万円
10位:ゴールドアリュール / 2017年種付け料:300万円
うーん、これだけだと、若干比較がしにくい。そこで、
サイアーランキング1位10ポイント、2位9ポイント…10位1ポイント
種付け料(安い順)1位10ポイント、2位9ポイント…10位1ポイント
として、ポイントをつけてみました。
『ポイント順』
15ポイント…ハービンジャー
12ポイント…ディープインパクト、キングカメハメハ、ハーツクライ、クロフネ
11ポイント…ダイワメジャー
9ポイント…ゴールドアリュール
8ポイント…ステイゴールド
おお、見やすくなりました。
※2017年の種付け前に亡くなってしまっているステイゴールドには可哀そうな指標になってしまいましたが…
結論:今年のお買い得産駒はハービンジャー
自分でも予想していなかったのですが、今年のお買い得産駒はハービンジャーではないかという結論が生まれました。(独自調べによる。)
ハービンジャーの2017年の種付け頭数は164頭。京都でもGⅠを勝つなど、勢いを感じながら、確かになぜか人気の盲点になりがちな種牡馬。今年の一口募集でも爆発的な人気とはならなそう。
所属クラブで募集された際は要チェックしてみるのもいいかも。