オルフェーヴル産駒でPOG馬レビュー
パーフェクト種牡馬辞典2020-2021をパラパラとめくっていて気が付いたのですが、トップ10にランクインしている種牡馬のうち、まだダイワメジャーとオルフェーヴルの産駒をレビューしていませんでした。
POG的な狙いで言えば、ダイワメジャーは夏にデビューしてマイル路線を駆け抜けてくれそうな馬を指名するのが鉄則。そのため、POG本が出揃ってからにしようと思っていたのですが、オルフェーヴルのほうは…特に意図は無し。
いや、正直に言えば、当たり外れが大きいイメージがあるので避けていました。
ただ、ラッキーライラックが大阪杯を勝ったように今、改めて旬が来ている種牡馬でもあります。自分の勉強のためにもどの馬がいいかなあと探してみました。
『アルーリングボイスの2018』(牡馬)
馬名: アルーリングギフト
父: オルフェーヴル
母: アルーリングボイス
母父:フレンチデピュティ
厩舎:藤岡厩舎
生産者: 社台コーポレーション白老ファーム
〇POGで気になるポイント
苦手意識意識の払拭のために、まずは振り返り。
オルフェーヴルのこれまでの成功産駒を振り返ってみると、エポカドーロとラッキーライラックという2頭の名前があがります。
牡馬牝馬の違いこそあれ、オルフェーヴル初年度産駒のこの2頭には母父がフォーティナイナー系であるという共通点があります。フォーティナイナーは母父として産駒に「軽さ」と「仕上がりの早さ」を与えるので、オルフェーヴルが持つノーザンテーストのクロスを緩和しているのです。
また、追加のポイントとして「スピードを繫殖牝馬からもらうこと」もパーフェクト種牡馬辞典を見ると推奨されていました。このあたりは理解が出来ます。もともとオルフェーヴルは中距離の王道を歩んだ馬でした。ただ、2歳戦~3歳戦はマイル前後の番組が多いのもまた事実ですからね。
これはフォーティナイナーの血をもったスピード系の母を探すしかないでしょう。
というわけで、イイなと思ったのが本馬です。サンデーレーシングから総額3,600万円で募集されています。
本馬の母アルーリングボイスは小倉2歳ステークスとファンタジーステークスを勝利した快速牝馬です。母としても7頭の産駒を送り出し、その中にはオールザゴーやアンヴァルといった渋い活躍馬もおります。それに加えて(?)、ブログ主のユニオン出資馬であるイルクオーレの母もアルーリングハートも産んでいますね。まあ、イルクオーレの話は、今日は割愛しましょう。
そして、本馬の祖母アルーリングアクトは日本におけるフォーティナイナー系の代表ともいえるエンドスウィープの産駒であり、前述したオルフェーヴルと相性がいいフォーティナイナーの血をしっかりと引いてきています。
プロフィール的にはバッチリです。オルフェーヴル産駒の成功パターンを再現する一頭になれるでしょうか。
ちなみに、これは余談ですが、このオルフェーヴル×フォーティナイナー系のニックス配合を白老ファームは完全に狙ってきていると思います。
というのも、本馬と全く同じ血統構成の馬が同じく2018年にデビューするから。それが『アルーリングライフの2018』(馬名:シュルレアリスト(父:オルフェーヴル、母アルーリングライフ))です。母の名前からわかるように、同じくアルーリングアクトから派生する一族で、母同士は全姉妹の関係にあります。生産者は白老ファームで同一ですし、さすがに偶然というわけではないでしょう。
なお、こちらはG1レーシングから募集。募集総額を3,600万円とサンデー募集額を一致させているのは見事です。
全く血統が同じ馬が同じ年にデビューするというのはそこまで多くないケースだとは思います。これに気付いたのはちょっと得した気分。
POG抜きにしても追いかけたくなる1頭、いや、2頭です。