問題。2歳~3歳の短距離上級条件の数はいくつ?
先日、ユニコーンステークスが2~3歳馬にとって初めてのJRAダート重賞だと知ったのですが、じゃあ「短距離路線(1,200メートル)の重賞は?」と思いたち、調べてみました。
これがですね、なんと3レースだけでした。
2歳
・函館2歳ステークス(GⅢ)
・小倉2歳ステークス(GⅢ)
3歳
・葵ステークス(GⅢ)
これだけ。ダートよりは多いですが、これだけです。ちなみに、オープン競争は以下の4レースのみ。
・すずらん賞
・カンナステークス
つまり、合わせても7つです。
この少なさはかなり意外。というのも、芝の短距離路線の新馬戦やオープン競争は比較的早くから設定されているイメージがあったからです。実際、今年の出資愛馬ロードクラージュは6月8日に組まれている京都の1,200メートル新馬戦でデビュー予定です。がんばってほしい。
葵ステークス勝ち=3歳短距離王…です?
ついつい愛馬ロードクラージュの話を入れてしまいましたので、ロードクラージュをモデルケース的に話をしてみたいと思います。
例えば、ロードクラージュが6月8日にデビューし、なんと見事に勝利をしたとします。その後、短距離路線のみを使うとした場合、すずらん賞をステップにするか、もしくは直接函館2歳ステークスを狙っていくことになります。ただ、3連勝、ないしは2勝したとしても、次のレースは?となった時…
そうです、選択肢がありません。
小倉2歳ステークスもGⅢですから、別定重量に目を瞑って連戦することもありですが、それでもそれまでです。
もし芝1,200メートルに拘るのであれば、次の重賞、つまり春に開催される葵ステークスまで休養するしかない。怪我をしたわけでもなく、成長を促すわけでもないのに、休養しないといけないという。考えにくい使い方になります。
そして、考えにくいと書いておいてなんですが、またまた例えば、ロードクラージュが
のような使い方をし、素晴らしいことにすべてに勝利したとしても、ロードクラージュが「3歳短距離王だ!」とはみんな言わない気がします。NHKマイル(GⅠ)があるからです。
3歳短距離路線≒マイラー路線という現状
現在、2歳戦で1,200メートルを使い、仮に函館2歳Sや小倉2歳Sを勝ち上がったとしても、勝ち上がった馬の多くの馬は1,400メートルやマイルを使う方向にシフトします。ちなみに、そういった場合、「距離の融通を効かせるように育成したい」というコメントが陣営から出るのが常です。現実として番組がないとしても…
ちなみに、平成最強の短距離王であるロードカナロアでさえ、そうでした。デビューは1,200メートル新馬戦でありながら、次戦は1,600メートルで2着。次々戦も1,400メートルを使って2着。
その後、本格化するまでロードカナロアは1,200メートルを一貫して使われていったことを考えても、もしその当時、短距離路線がしっかりと構築されていればデビュー後の2戦目、3戦目も1,200メートルを使っていた可能性は十分あるかと。
あと、想像ですが、芝1,200メートルの新馬戦が早めに組まれている理由は「若駒はあまり長い距離を走らせてはいけない」という通説に従っているからなのかもしませんね。菊花賞まで3,000メートル超のレースを3歳馬が走る機会がないのもそれを表しています。
書いていてふとと思いましたが、長距離戦の拡充も近年叫ばれている印象。天皇賞春2連覇のフェノーメノが種牡馬としてあまり牝馬を集めることが出来ていないように、古馬の長距離路線も拡充の余地があるのでしょうね。その話は調べてみてまたいつか。。
2~3歳短距離路線がもっと拡充されたら面白いのに…
とはいえ、やっぱり2~3歳の短距離路線がこれだけというのは何とも寂しいなと、個人的にはやっぱり思えてしまいます。
一芸に秀でた馬に魅了されたいですし(笑)、スペシャリストが育成されなければ、その条件全体のレベルも落ちてしまう。短距離の世界王者決定戦といわれる香港スプリントでロードカナロア以降、日本馬の勝利がないのもそれを端的に表しているかと。
短距離、マイル、クラシックディスタンス、長距離、ダート、障害線と各階級にスペシャリストがいる中で、古くはアグネスデジタル、私が競馬を始めたころで言えばアジアエクスプレス、最近ではオジュウチョウサンみたいな馬がいるから競馬が楽しい気がするのですけどね~(*^-^*)
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